スピリチュアル・バカ

占術よもやま話し

こんにちは、ひなた四柱推命鑑定ルームの綾野日向子です。

一時よりはもうかなりブームも下火になった「スピリチュアル」ですが、
過去のブームのお陰で、今ではもうすっかりスピリチュアルは市民権を得ているようです。

私も、神秘的なものやこの世の物とは思えない奇跡のような事に触れるのは大好きですし、
過去に運が低迷していて辛かった時に、その時大ブームだったスピリチュアル本に書かれていた
ことで精神的に随分助けられたこともあり、感謝感謝です。

でも、でも、スピリチュアルを妄信しすぎて、自分を見失って結局自分自身を苦しめて
しまうほど、スピリチュアルに振り回されて日常を過ごすのはいかがなものでしょうか~?
と思ってしまうんです。

例えば、入ったばっかりの不慣れな職場でイジメ(業務の指導じゃなくてイジメ)に遇ってしまった。
理不尽なイジメに、もう辞めたくて辞めたくてしょうかない、でも、
「これは、私のために先輩がわざわざ負のカルマを背負って、私に貴重な学びの機会を与えて
くれているのだわ、感謝しなくちゃ。」という考えになってしまうことですね。

そんなもの、カルマだのなんだのじゃなくて、単にその職種や人間関係の環境があなたの適性に
合っていなかったから、そういう現象を引き寄せてしまったに過ぎません。

自分が持って生まれた能力は何なのかを知って、その方向で自分を磨いて、適職に就けば、
そんなくだらない目に遇うこともなく、よっぽど幸せを実感できて、その結果良い縁も生まれて
運も上がります。

それから例えば、自分を虐待する毒親の元に生まれて、さんざん苦労させられたということを
「スピリチュアル」の教え?通りに解釈してしまって、
「きっと私の過去世での行いが悪かったから、私のカルマを浄化させるために、
現世ではこの親の元に神様が私を送ってくれたのよ、親に感謝しなくちゃ。」
などの類ですね。

いつもいつもそんなことやってたら、気が狂ってメンヘラーさんになってしまいますよ。

そうやってスピリチュアルに走るということは、根底には「自分を守りたいから」
というのがあるからだと思いますが、その自分を護るためのスピリチュアルが、
それでは逆に自分を苦しめるだけの害になってしまいます。

自分を守りたいならば、もっと素直に本当の自分の心の叫び声を正直に認めちゃっていいんです。
「あんな親、クソヤロー、一生許さない。」って
素直に本当の感情を認めた方が、表面の意識と本当の深層の意識が一致して、その結果精神が
安定して、いたずらに他人を恐れるような対人恐怖症にもならずに、
結果運も上がって幸せになれます。

例え過去にどんな仕打ちを受けてきたとしても、親を憎むなんて……ってどうしても道徳感から、
いけないなと思ってしまうかもしれませんが、
親というものは、無条件で子供を慈しみ愛する生き物なのです。

それが、物心つくような幼い頃から暴力やら暴言で、無抵抗な子供に自分のエゴからくる怒りや
ストレスの矛先を向ける虐待親なんて、
赤の他人から見たら、人としてかなり問題のある人間ですよ。

いくら親だからといって、心の傷も癒えていないのに、そんな人間に感謝やら許しや愛を与える
なんて、神様でもない限りできません。
無理にやってたら精神を壊しますよ、本当に。

だいたい、世に出回っているスピリチュアル本の教えは、薬で言ったら、「薄く広く」の
ドラッグストアの大衆薬のようなもので、その人その人それぞれの状況・事情にぴったり合ったもの
ではありませんから、自分の場合に当てはめるのには無理があるんです。

「本当は親に愛して欲しかった、つらくあたってごめんねって一言でもいいから言って欲しかった。」
その痛いほどの気持ちは充分にせつないほど分かります。

でも、それすらができないダメ人間が世の中には残念ながらいるんです。
自分はたまたまそういう親に当たってしまったんだ、と認めてしまえれば、
少しづつ、少しづつ楽になって光が射してきますよ。