天中殺・大殺界とか……

占術よもやま話し

こんにちは。
ひなた四柱推命鑑定ルームの
綾野結麻です。

我が家の、南向きの日当たりの良いベランダの前では、
そろそろ満開に近づいた桜の木たちが
見ごろを迎えています。

冬の寒さの厳しさは去り、ふんわりと心も体も
ゆる~くなる、この季節が一番大好きです。

 

さてさて、お客様からご相談をいただく中で、

今年から「天中殺」とか「大殺界」なので心配です。

ということをご心配されている方が、とっても多いんです。

この時期にいる間は、八方塞がりで、何をやっても不運ばかり、
良くないことばかりが起こるから、
結婚や起業などという新らしい行動を起すのはもってのほか!
の恐怖の期間として、巷では恐れられているようですね。

えーっとですね、私の学んだ古来の中国から伝わる四柱推命では、
「天中殺」や「大殺界」という、何でもかんでも不運で不幸が
2年間や20年間ずーっと続くという禍々しい期間というものは、
存在しません。

元々占い好きな私も、かつては
中国式の正統派の四柱推命を勉強する以前に、
この天中殺のことがやっぱり気になって、
九星気学や算命学のなど本を読み漁っていました。

それで分かったことは、

誰にでも12年に一度2~3年間、きっちり巡ってくる。

そして、その上、

誰にでも、120年のうちに必ず一度20年間巡ってくる
という●●大殺界ものまである。

というなんとも恐ろしいものでした。

ことごとく不運に見舞われて、夢も希望もない期間が
そんなに延々と続かれたら、
来年からは、そんな運気が巡ってくる!
なんてことが分かったら……、

それじゃあ、生きる気力がなくなってしまいますよね。
そのような言葉や考え方は、おそらく四柱推命でいう
「空亡(くうぼう)」というものからきていると思われます。

九星気学や算命学の基になったものが、
古来中国の四柱推命なのですからね。

でも、四柱推命の本場
中国の古典の文献の中に、この「空亡」という言葉は、
あることはあるのですが、
全くもって無視されている存在です。

要するに、
「全く気にする価値なし」
ってことです。

だいたい、誰にでも12年に1度ということ自体がおかしいのです。

今まで本当に色々な人の命運を見てきましたが、
そんなに誰にでも規則正しくきっちり
不運気と幸運期が巡ってくることはありません

運の良い人だと、
多少の困難なことがあったとしても、それをはねのける力を持ち、
不運気の20年間など、過ごすこともなく恵まれた生涯を終えられていますし、

逆に、本当に運の悪い人だと、不運気が20年どころか、
青年期の人生の大切な時期の30年間くらい
思うように行かず、不本意な一生で終わる方も稀にいらっしゃいます。

持って生まれた運によって、運気の流れは様々だということです。
それを読み解いて、予め備えて、大難を小難や無難に変えるのが
本当の占い、運命学なのです。

でも、どうして天中殺だの大殺界などという言葉が
こんなに一般に(広く薄く?)広まってしまったのか?

それは、マスコミのせいです。

1970年代に、ある1人のテレビに出ていた占い師さん
がこの空亡のことを、何も知らない世間の人たちを
恐怖で釘付けにする為に、おどろおどろしく飾り立てて、
「天中殺」というギョッとするような言葉で言い出し、

「これはブームになるかも、儲かるぞ!」と乗って、
火付け役となったのが、
当時のテレビや出版社などのマスコミでした。

そして、日本中に一大天中殺ブームが起こります。

しかし、この占い師さん、
70年代の終りに、ある有名人の占いを外したことがきっかけで、
それっきり占い師を廃業して、
占い反対論者となってしまいました。

「天中殺はない、騙して申し訳なかった。」
という言葉まで残して……。

運命学が本当に好きで、四柱推命を学んできた私としては、
これには、あきれ返って、言葉がありません……。

マスコミから洗脳された人たちを1人でも多く目覚めさせ、
本物の運命学、古来の中国から伝わる四柱推命を伝えるガイドになるのが
私に与えられた役割だと思っています。