今年で占い鑑定業10年目になりましたが、今回ご紹介する事例は自分で料金を払って来て下さったお客様の中では最年少に当たるお客様で、先日オンラインで鑑定したものです。
頂いたご相談の内容はこれからの進路や恋愛運などといったこの年代ならではの内容でしたが、この命式を見た時に私はちょっとあることに目が行きました。
それはお父さんとの関係性についてでした。
基本的に四柱推命では父親は「財」の通変で見ます。
また自分が生まれ育った家庭を表す場所は月支の位置に該当します。
この命式の父親はちょうど月支にいる財の「午」に当たります。
お父さんがちょうど生まれ育った家庭の場所に鎮座している命式です。
女命
年 丁丑
月 丙午→ここ、お父さん
日 癸卯
時 癸亥
ただ、この財の午は月干にいる丙の財の刃に該当していて、刃はとても強くて怖いものなのでこのお父さんは何だか怖そうです。
午や丙は火ですから、もの凄い勢いで燃え盛る荒ぶる神が荒ぶっているかのようです。
そして怖いだけならまだしも、さらに月支の午のお父さんはこの命式の持ち主ご自身を表すものと関係が悪いです。
四柱推命を少しでも知っている人からすれば「えっ、どうして?」と思うかもしれません。
十二運で見ているわけでも神殺星で見ているわけでもありません。
また本格的に勉強していてもうちょっと知っている人ならば、お父さんを表す財が忌神の悪い五行だから良くないの?とも思うかもしれません。
この命式のケースではそんな喜忌レベルの問題を超越していて、忌神だろうが喜神だろうがどっちだろうと、調候用神的にとかでもなく、もう絶対的に関係性が悪く見えるのです。
破って刺しての酷い状況です。
怖いお父さんのパワーの方が命式の持ち主ご本人よりも圧倒的に強く当たってきているので、私は鑑定でご本人とお話しをする前の段階でもしかしたらお父さんとの関係が悪くて辛く当たられてきたのではないかなと思いました。
なので鑑定の際に
「お父さんがね、、、ちょっとね、、、すごく怖く見えるんだけど、、、」
と切り出して見たところ、、、
ご本人からやはりな内容のお答えが返ってきました。
かなり壮絶な暴力と暴言を受けてこられたそうですし、
また進学先や就職先を選ぶ際にも自分の希望や意志を挟む自由は全く与えられずにお父さんに従うしかなかったということでした。
ちょうど新卒の頃の己の官殺の七殺の大運でお父さんの指示通りに公務員となったけれどもそこで鬱となり退職し、現在ご自身が希望する方面で職に就けるよう勉強に励んでいる日々とのことです。
女命
年 丁丑
月 丙午→お父さん
日 癸卯
時 癸亥
干の関係上においては、日主癸にとってストレートに剋してくる己の七殺は大のニガテですので、向かない仕事でストレスを抱えるようなことが起こったということはとても良く分かります。
またこの命式は公務員になる人の命式ではありませんから、いくら親が強力プッシュしても本人とは縁のない職業からは離れて行くということも良く分かります。
今更お父さんとの関係を占いで指摘されたところで、過去に起こった嫌な出来事をきれいさっぱり消すことはできません。
心の傷だって残ったままかもしれません。
ただ、鑑定後に頂いたメッセージの中で、
父によって苦労した、とのご指摘を受けたとき、ようやく人にわかってもらえたんだと安堵の気持ちが湧き上がり、弱々の涙腺が早速崩壊してしまいました。
というお言葉を頂きました。
このような親との関係性においての問題や苦労というのはなかなか他人には理解してもらえないものです。
他人に対して「不幸マウント」をして来るような変わった?人以外、
自分から親子間のことでそんな思い出したくもない辛かった出来事など他人にはあまり事細かにベラベラ話したりしませんし、言ったところでその現場を見ていたわけでもない人からは
「それはあなたにも問題があったから親が厳しくしたんじゃないの?
子供のことを思わない親はいないからね。」
という一般論的な見方で片づけられてしまうことが多いと思います。
だから余計に「他人に打ち明けても無駄なんだ」と思うようになります。
今回のお客様は私から切り出されるまで過去の辛かったことや親との関係性のことについて自分からは一切触れませんでした。
ですので小さく無力で何もできなかった時の自分が「あの時は本当に辛かったんだ」ということをどこかの誰かに分かってもらえた時には心の傷が少し和らいだ救われたような気持ちになるのだと思います。
今回のこのケースは現在の日本に広まっている四柱推命の見方だけでは父親との関係性の問題は絶対に分からないだろうと思いご紹介させて頂きました。
起こってしまった過去を書き換えることはできないけれども、こんなふうに占いが過去の幼い時に受けて封印してきた心の傷を癒す役に立つこともありますね。
まあ、たま~にですけど、、、ね(^-^;
–おまけの後日談–
そのすぐ後日、今回のお客様からのご紹介で今度はお客様の妹さんの鑑定をすることとなったので、当方へ自分でお金を出して鑑定にいらしたお客様の最年少記録はあっさり更新されることとなりました。
「不幸マウント」とはこのようなことを言います。
不幸自慢で相手より優位に出て支配しようとするなどなど。
私もこのようなタイプは苦手です。