「キラキラ鑑定」、「アゲ鑑定」に思うこと

占術よもやま話し

占いで見てもらって例えばこんなことがあったとします。

相談者「昨年はこんなことがあってこれまでにないくらいとても辛かったんです。運気の悪い年だったと思うのですが・・・」

占い師「え~、どうしてですか? 昨年はとても良い運勢の年でしたよ。何かいいことがあったはずですよ。」

相談者「それはちょっとくらいは良いこともありましたけど、それを台無しにするくらい想外のすごく辛いことが立て続けに起こって辛かったんですが、何か出ていませんか?」

占い師「すごく良い時期でしたよ(ニッコリ)。だから良いことあったじゃないですかー。」

相談者「・・・は? ハァ・・・。」

運勢を読む占いでは昨今、とにかくどんな星回りでも「良い」とその星の長所だけで見るような占い鑑定が主流で流行りのようですね。

キラキラ鑑定、アゲ鑑定、ゆるふわ鑑定というのでしょうか。

ただ、これでは辛い運勢のせいで大変な思いをされてきた人の気持ちが完全否定されてしまいます。

実際に経験してきた本人がここまで訴えているのですから運勢上に何かしら出ているはずでしょうし、それが読み取れないのであれば鑑定する側の知識不足、勉強不足と言われても仕方のないことと思います。

何でも「良い」と読む傾向の鑑定士。

その反対で、何でも「良くない」と読む傾向の鑑定士。

両極端ですが、どちらかに偏りが見られるのというのは、どちらも力量不足の可能性があると思います。

「相談者さんの気持ちに寄り添います」というというような言葉は占いの宣伝媒体で良く見聞きします。

気持ちに寄り添うこと自体は占い師以外の心理カウンセラーさんでもセラピストさんでも家族でも仲の良い友達でも出来ることです。

占い師が相談者さんの辛い気持ちに寄り添うということは、その辛くて大変だった時のことを運勢から拾い上げて伝えてあげることではないでしょうか。

「ああ、だからあの時はあんなに努力して最善を尽くしたのに上手く運ばなかったんだな・・・」と腑に落ちることがカタルシスにつながるでしょうし。

それに「何でも良い」のアゲ鑑定だと将来巡って来るかもしれない厳しい時期の守りも固められません。

だから占いの「悪い時期」を「悪い」と読み解くスキルが高いことは別に悪いことではありません。

必要なスキルです。

また、「今そっちに行くのは苦労が多くて得策じゃないよ」と伝えてもらうことを必要としている場合もあるでしょう。

それに、実際には対していい状態でもないのにキラキラ鑑定、アゲ鑑定をしてもらっているそのほんの一時だけいい気分になっても、かえって虚しくてますます嫌な気持ちになったりしないかな。

もちろんね、「良い」と出ている事はしっかり伝えます。

今は苦労が多い日々でも将来巡って来る良い時期をジャンプアップの糧にできますから。
(正し、それもちゃんと当たっていた場合に限る。)

私はキラキラ鑑定は受けるのもやるのも好きではありません。

流行りものやトレンドにはどうも逆らいたくなるあまのじゃくな私です。