食神と七殺の天干の並びで分かる職業の傾向の例

仕事運の占い

四柱推命の命式の天干(上の段に並んでいるもの)で、大まかにですが職業の傾向性が分かるという話しをしてみたいなと思います。

四柱推命の官殺(正官・七殺)は仕事・権力・名誉の意味があるので適度に命式の中で働けば仕事運・勤め運が良かったり社会的な地位に恵まれやすくなったりしますが、下記の図のように自分自身の日主を剋して攻撃してくるものです。

自分を剋して攻撃してくるものなので、災い・病気・事故・苦しみやストレス・悪者・虐待、暴力といった意味も持ちます。

特に月干の位置は社会に出て働く環境・勤め先の環境を表したりする場所ですから、この位置に七殺(日主と陰陽が同じ官殺)があり自分のすぐ横に張り付いていると、喜神・忌神に限らず勤め先などの社会的な場において自分を攻撃してくる官殺の悪い意味の災いや苦しみストレスなどなどに付きまとわれやすいということが見て取れる命式となります。

七殺が弱く、これを漏らして弱め日主へエネルギーを与える働きをしている印星があったり、七殺を抑えるものが命式にあればそこまで脅威にはならず逆に社会運などに恵まれる吉に運ぶ場合もあります。

だから日主のすぐ横に七殺があるのだけを見て、
「苦しみに付きまとわれる悪い運命の人だ!」
と断定してしまうのはダメなので地支を合わせた命式全体のエネルギーの流れを見る必要があります。

で、このような例があります。

ちょっと天干だけ書きますね。

この命式は、日主のすぐ隣の月干に七殺(陰水)があり、日主の丁(陰火)→剋→で剋しにきています。

日主と同じ陰干同士なので、七殺が月干のすぐ隣でこの命式の持ち主自身に何か災いをもたらしている様子です。

何か持病などの体調不良があったり、月干の位置にありますから社会に出て職場がストレスフルな環境だったりするのかな?と見えます。

この七殺の癸の根も強く天干にもこの癸に加勢するものがあったりしたら、日主にとってはかなり負担になり社会に出てもストレスの多いしんどい職場ばかりに行ってしまったり、仕事がなかなか続かない人になる可能性が高いでしょうが、この命式はどうも違うようです。

それは、癸のまたその右隣にある年干のの食神です。
己は土の五行ですから、七殺の水を剋して弱める働きをするものです。

→剋→で日主に災いをもたらすものを剋して弱めています。

この己の食神のお陰で、この命主の持ち主の人は自分に降りかかってくる七殺の災いをかわして生きて行くことが出来るのです。

そう、食神は官殺を剋してやっつけるものです。

では、この食神とは一体何でしょう。

食神(日主と陰陽が同じもの)と傷官(日主と陰陽が違うもの)、
これら食傷には自由や芸術、クリエイティブ、表現、趣味、遊びなどの意味があることは良く知られているかと思います。

食傷は自分が生み出すものですから、この他にも自分の技術や自分の思考・頭脳・知恵・思想という性質があります。

命式の中で、食傷が日主を漏らし過ぎや命式の寒暖燥湿を著しく損なうものでなければ、思考力、考える力が強い頭の良さを持つ人となります。
(ちなみに暗記中心詰込み型タイプのお勉強の頭の良さは印星の働きで、頭の良さには種類がありますということ・・・)

また自分が好きで追いかけるものという性質があり追求心・探求心という意味合いがあります。

自分が好きで自由に追求探求せずにいられないことをそのまま極めれば、高い専門性を持った知識や技術の才能のある人ということになります。
(ただし、食傷が忌神で弱い日主を漏らし過ぎだと、本人は好きでやってるので楽しく有意義だと思っているのですが、実社会でまるで役に立たなかったり、傍から見れば妙だったり変わった趣味の愉しみに走るだけの人となります。

ですので、この命式の例の人は自分の専門スキル(食傷)で、自分にもたらされている災いやストレス・ケガ病気(七殺)を剋して克服するということになり、これが人生を好転させる人生の用神となり、食傷の持つ意味を活かす生き方をすることがその命式の持ち主にとって良いこととなります。

食傷は病気やケガなどを剋して弱めるものですから、お医者さんなどの治療家や薬剤・漢方薬などの治療薬にも当たります。

そしてまた、食傷には自分の身を削って他者に奉仕する、育てるという性質を持ちますから、人の面倒を見るカウンセラーや教育関係、教師という意味合いも合わせ持ちます。

この命式の持ち主は以前の記事でご紹介した私の中医薬膳講座の先生で国際中医師・国際中医薬膳師の萌木のり子先生のものです。

ご自身の体質を薬膳の知恵、食事療法で改善され正に食傷が七殺を剋して克服している様子がそのまま表れています。

そして、「具合が悪いから病院に行ったのにどこも異常がないと言われる・・・」
といった世の中にいらっしゃる辛い症状にお困りの方に薬膳カウンセリングで体質改善の指導アドバイスの仕事もされています。

天干に出ているものは誰の目にも見て分かるその人の様子です。

ですので、これは七殺の災いの脅威を食神の自分が好きでやっている(追求している)専門知識の治療によってやっつけているというのり子先生のお仕事がそのまま天干に表れてしまっているとても分かりやすい良い例です。

また七殺は心のストレスの災い・苦しみということもありますから、以前に鑑定させてもらったお客様の中で同じパターンを持った方の場合は心のストレスを取り除く助けをする心理カウンセラーさんの職業をやっているという実例もありました。

また七殺は災いですから霊的に悪いもの、悪霊や悪神という意味も待ちます。
これを祓うのは祈祷師さんや霊媒師、お寺の僧侶や神社の神主さんの役割ですから、食傷にはこれらの意味もあります。

このように食傷の持つ性質や意味合いは、自由やクリエイティブ、または官殺を剋すから我がままとかだけではなくとても深いので、あらためてこれらをしっかり捉えて命式を見て行くと命式の見方にも少し幅が出来て変わって来るのではないかなと思います。

ちなみに、天干に出ていることが成功して上手く行くか行かないか?
については天干のエネルギー源の地支とその時の行運が関わって来ることですから、命式の天干だけでお金や人脈に恵まれて順風満帆に成功するかどうか?の判断はできません。

今回は省きましたがのり子先生の命式は地支も合わせて見ると、年干の位置にある財を生み出す原神の食傷が財を生んで自営業者の典型の命式です。

今回ののり子先生は今は金運の良い大運にいますので、とても良い感じで日々お仕事で忙しく活躍されています(^-^)