埋まっている女性-大久保清の四柱推命の命式

有名人・著名人の占例

昭和の犯罪史上に大きく名を残す殺人犯の大久保清の命式を見てみました。

凶悪犯という前情報や先入観を取っ払って命式から拾ってみた情報、

年 甲戌
月 丁丑
日 癸巳
時 壬戌

大運 8-17戊寅 18-27己卯 28-37庚辰 38-47辛巳

この命式パッと見で、地支に金の五行が多いです。

戌・丑で土の五行の官が多いじゃないか!と思うかもしれませんがもちろんそれも間違いではありませんがそれだけでおしまいではありません。

戌も丑も巳も地支にあるものは全部蔵干に金行を持っていて、更に巳火は金の墓庫の丑と金の局を結べば酉金がなくとも金の五行が強まります。

巳火は午火と違い、周囲に火の五行が多ければ火に傾き、逆に金の五行が多ければ金に傾くといった性質があるからです。

だから私には地支に金行の印星がとても多く見えます。

格局は身弱の内格で印星の金の五行は良い五行の喜神となるはずですが、いくら喜神でも比劫に対してそれを上回って必要以上に印星が強すぎると(大過)印星の悪さが出て来ます。

比劫が弱い場合の印星大過の悪さとは?
・甘えの気持ちが強く依存的、何かちょっとした困難があると乗り越えようとせずに逃げる
・マザコン
・自己愛が強く周囲の他人を見下していないと自分の金メッキの脆い自己肯定感が保てない自己愛性人格障害タイプ     などなど。

そして印星は五行の関係で、優しさや思いやり、そして思考能力の星の食傷を剋して攻撃し弱めます。

こういうこと
  ↓

天干には甲木の食傷がありますが、これは地支に根がなくて弱いので見せかけの思いやりや優しさです。

なので、もし仮にこの人物が職場の採用面接に訪れたら変なプライドばかり高くてちょっと頑張らなくちゃならない大変な仕事は敬遠して出来ない、やろうとしない楽ばかりしようとするくせに周囲とも上手くやって行けなそうなので採用は見送るでしょう。

また、育った家庭を表す場所の月柱には丁火の財(財=父親)がありますが、日主の癸水から剋されて弱々しいです。
その上この丁火は冷えた土の丑土の上にあり強さがないので、これは家にいたのかもしれないけど父親が父親の役割を果たしていないと私には見えます。

更に丑土は十二支中で最も陰が極まる支で「悪人・犯罪」といった意味を持つ支ですから、このお父さんは何か後ろ暗い所のあるお父さん、後ろ暗いところのある家庭なのか?と見えます。

:命式に丑土を持つ人の全部が全部犯罪や悪事に関わるというわけではありません。
悪知恵が良く働くという面はあるものの、丑土の良さが出れば陰の分野の学問、宗教思想哲学に向くといった良い特徴もあります。
良く出るか悪く出るか?は命式全体の状態及び行運によります。

ウキペディアで彼の生い立ちの所を見てみると、母親の異常な溺愛ぶりや父親の尋常ならざる部分が記されています。

大久保清 - Wikipedia

天干に甲丁といった干が並び一見文化系、文学系青年のようなインテリ風な雰囲気を持った人物に見えますが、丁の下には丑土でこれは虚の丁火の柱で丁火が弱く、そして甲木には地支に根がなく上辺だけ、上辺だけの格好つけインテリ文化系に見えます。

詩を書いて詩集を自費出版していたらしいですが、ウキペディアの人物欄には「言葉が難しい割には浅薄で・・・これが36歳の男が書くものかと思うほどに実に少年っぽい」といった記述がありました。

やっぱりそうか。
いるよねー、男でも女でもたまにこういう人。

こんな人物ですが、日支の夫妻宮には巳火の財があり他から弱められたりしていないので結婚はするでしょうね。

それから、日主の隣の丁火の財のこと。
財は「女性」です。
天干を見れば日主の隣の丁火の偏財に対して、良く言えば積極的に、そのまま率直に言えばウザいくらい強引に本人が女性に迫っている様子があります。
(同じ財でも日主と陰陽が同じ偏財の方がウザくて強引、他者へのコントロール欲、干渉欲強い。)

その丁の女性を時干の劫財の壬が干合で引っ張ってきて、その下にある戌土の火の墓庫に閉じ込めている様子が見て取れます。
女性を外から強引に引っ張ってきて自分の家の近くのどこかに閉じ込めているという様子ですね。

〈注:年柱と月柱は外の世界で、日柱と時柱は自分の陣地で自分のテリトリー、時柱は自分の家からそう遠くないエリア〉

最初の方で地支に金の五行が強いと言いましたが、地支は火の五行の財も強い・・・。

時支の火の墓の戌土には外から連れてこられた女性が閉じ込められてる(埋まってる?)

これが男性の命式と知れば、これはちょっと怖くなってくる。
殺害した女性の遺体は自分の生家の近くに埋めていたらしいです。

大運では、食傷の他人への優しさや思いやり、思考能力の根ができるも日支の巳と相穿(害)でそれが捻じ曲げられる寅の大運の時期から女性への犯罪行為に手を染めるようになり、同じく天干の甲を傷つける辛金の大運中の夫妻宮である日支を冲して夫婦間に何か起こったと思われ本人を激しく動かす力が働く1971年の辛亥年に連続殺人に走り、もともと開いていた火=女性の墓の戌が閉じる暦上では乙卯年の1976年1月に死刑執行され41歳の生涯を閉じました。

この時柱でなければ生育環境の異常さや性格や女好きなどの問題はあったとしても、ここまでの犯罪者の生涯ではなかったと思います。